地熱活用

地球に優しい再生可能エネルギー、「地熱」への注目が高まっています。

地熱発電所開発の流れ

1. 広域調査

より地熱資源開発の可能性が高い地域を抽出する為に行います。
資料調査や地表調査等で地熱微候がみられる地域を選定し、物理探査や地化学探査を行います。
広域の大まかな地質分布や地質構造、地熱貯留層の平面的な賦存状況、温泉の水質や起源の特性に関する情報を得ます。選択した地域において、坑井掘削を実施し、判明した地温分布に基づき予想される地熱資源の存在状況を踏まえ、次の概査調査計画を立てます。

2. 概査

大まかに地熱貯留層を把握し、地熱開発の可能性の高い精査対象地域を抽出することを目的に行います。\
調査結果から、地下温度や地質詳細情報を明らかにし、温泉の湧出機構や地熱微候の生成機構を検討します。

3. 精査

地熱発電の事業化に向けた調査になります。
試験井を掘削して噴出試験を行い、地熱貯留層から噴出する熱水や蒸気の温度や量を測定し、坑井の能力を調査します。また周辺温泉に影響がないことを確認します。
噴出試験
  • 圧力干渉試験結果
  • トレーサー試験結果
精密地表調査
  • 地質・変質帯調査結果
高密度物理探査
  • 重力探査
  • 電磁探査
  • 電気探査
  • 弾性波探査結果など
モニタリング調査
  • 地熱貯留層の情報
  • 温泉・噴気の状況調査結果など
試験井、観測井、構造式錐井
  • 地質(断裂含む)、地下温度・圧力、透水性、地熱流体性状など
  • 温泉・噴気の状況調査結果など

4. 発電所建設

地熱資源の持続可能な資源量の把握と同時にモニタリングによる発電所運転時の既存温泉への影響評価を行います。
噴出試験
  • 一斉噴出試験結果
  • 圧力干渉試験結果
  • トレーサー試験結果
モニタリング調査
  • 地熱貯留層の情報
  • 温泉、噴気の状況調査結果等
生産井 試験井 還元井 観測井 構造試錐井

地質(断層含む)、地下温度・圧力、透水性、地熱流体性状等

5. 運転開始後

運転開始後、発電所の出力維持や出力増強のため生産井や還元井の掘削を行う場合があります。
また、追加調査のための試験井、観測井、構造試錐井を掘削する場合もあります。
噴出試験
  • 地熱貯留層の規模や能力情報
  • 周辺温泉や噴気、地下水等への環境影響についての情報
  • トレーサー試験結果
  • 圧力完了試験結果
モニタリング調査
  • 地熱貯留層の情報
  • 温泉、噴気の状況調査結果等
生産・還元履歴
  • 生産量や還元量の状況調査結果
生産井 試験井 還元井 観測井 構造試錐井

地質(断層含む)、地下温度・圧力、透水性、地熱流体性状等

広域調査、概査、精査、発電所建設の段階で、関連する許認可手続きが必要となります。
対象地の立地環境により、必要な許認可は異なり、条件に応じて必要な許認可を取得します。