「本音」で動く時代
平成17年8月9日に参議院で郵政民営化法案が否決され、小泉首相は同日衆議院を解散し、総選挙となりました。結果は、事実上郵政民営化の是か非かを問う選挙戦となり、自民・公明の両党で327議席を獲得した与党の圧勝に終わりました。
今回の選挙を振り返ってみますと、従来の地元の○○と訴えたり、公共事業等の利益誘導型と異なって、「本音」で政策に訴えるケースが目立ちました。国民も今までとは違い、どのような政策が国益となるかを従来よりも良く検討した結果、「改革」してくれる可能性がある政党に投票したと言えます。
また、選挙結果を踏まえ民主党も岡田代表が辞任し、管前代表と前原氏と選挙となり、96対94で前原氏が新しい代表に選出されました。前原代表は本来民主党の選挙基盤である労働組合に対し、「脱・組合」を明確に打ち出し、戦う民主党宣言をしました。これはある意味では党を二分しかねない行為ともとれるのですが、今までの民主党ではなかった「本音」の政策重視の決断と言えるでしょう。
これらの結果から、政治の世界も「本音」でものを言い、「本音」で活動することができるリーダーが求められているのだと思います。今までは党や周辺環境のしがらみからなかなか脱却できず、最初の公約が達成できずに志し半ばで終わっていたケースが多く見られましたが、もうそのようなことは全体が飽き飽きしていて、それを現状突破してくれる「本音のリーダー」が求められている時代なのだと思います。
官から民へ・チャンス到来
この「本音で動く時代」の到来を受けて、世間も状況が大きく変わりつつあります。郵政民営化で38万人の国家公務員が民間人に移行することを皮切りに、議員やその他の公務員のリストラが始まり、官から民に大きく移行していくことにより、今までになかったビジネスモデルも登場してくるでしょう。従来型の公共事業は減少するとは思いますが、それに変わる民間主導型の事業は逆に増加してくると思います。
これは我々にとってはチャンスと言えます。「本音」で顧客と対話をさせて戴き、本当に顧客が必要なものを提供させて戴くことができれば、誰でもチャンスは平等に与えられる時代が来るのです。
エオネックスキーワードの3K
この「本音の時代」を生き抜く我々のエオネックスグループのキーワードとして、3K(環境、健康、管理)を提唱したいと思います。
まず最初のキーワード「環境」。エオネックスは、平成15年の4月に㈱北陸分析センターと北陸地下開発㈱が合併して誕生しました。そのおかげで、水質や大気、土壌などの分析もエオネックスは自社で分析することができ、加えて悲願でありました温泉と水道水の公的な分析機関として平成17年の4月に登録を受けることもできました。
また、今世間を震撼させているアスベストやレジオネラ菌の問題等もいち早く対応する事ができ、「環境」をキーワードとしたビジネスはこれからも増加傾向にあります。さらなる技術力を向上させることで、安全で豊かな社会を構築するために、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
二つ目のキーワードの「健康」は、従来から取り組んでおります温泉や井戸に関した分野です。計画・調査・開発・設備工事からメンテナンスまで一貫した体制を整えている我が社では、日本で27000本と言われている温泉の源泉は大きなターゲットです。温度、泉質、湯量を半永久的に維持するために総合力で対応していきたいと思います。
三つ目のキーワードは「管理」です。温泉や井戸の施設管理もそうですが、日本のような自然災害の多い国はありません。台風や地震それにともない土石流、地滑り、急傾斜地等の災害は諸外国と比較しても非常に多い国です。これらの対策工事をすべて危険箇所に実施することはすぐには不可能です。したがって、これらをGPSを初めとした新しい管理手法を用いて災害を未然に予測し、対策を施すニーズが今急速に求められています。この「管理」の分野はまだまだ開発の余地ががあるのです。
元気、勇気、根気で改革を断行しよう!
お陰様で、今年で私がこのエオネックスグループに入社して20年目を迎えました。この20年間にいろいろな出来事がありました。数々の失敗もありましたが、社員の方々の並々ならぬ努力とその時々の決断により、自分の理想の企業に一歩一歩近づいていることは間違いありません。
そこで今年度は今一度初心に帰る想いも込めて品質目標を「元気(気力、活力)勇気(気概、挑戦)根気(諦めない心)」で改革を断行し、さらなる計画利益の達成と生活の向上を!」としました。我々をとりまく環境は社内環境も含めてまだまだ不十分であります。それらを改革して、さらなる環境の向上に努めたいと思います。
この20年間やってこられたのも元気を出すことを忘れなかったことと、勇気をもって決断したこと、そして根気を持って一度決めたことを諦めなかったことだと確信しております。20年目にあたり、この気持ちを再度奮い立たせてグループの皆様と意を同じくして「本音の時代」に本気で挑戦したいと思います。どうぞ宜しくお願いします。